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2005.09.02

LLP(Limited Liability Partnership)に対する課税

民法組合の特例として、LLp法「有限責任事業組合契約に関する法律」が5月に公布、8月から施行されます。

1. LLpの特徴

  • LLpは、個人または法人が共同で営利を目的とする事業を営むための組合契約で、民法組合の無限責任を出資額を限度とする有限責任にしたものです。損益分配は、出資額にかかわらず自由に設定でき、意思決定方式も内部自治に委ねられます。

2. 想定される具体的事業

  • 優れた技術力やノウハウ、アイデアを持つ個人やベンチャー・中小企業は、資金力の豊富な企業と連携しやすくなり、能力に応じた利益の分配を得ることできます。

3. 現物出資課税

  • LLpの出資は金銭その他の財産のみで、労務は認められておりません。また、現物出資は時価により譲渡したものとして課税されるため、含み益のあるものは課税が生じます。

4. 投資利益が出た場合

  • LLpは、出資者に直接課税するパス・スルー課税なので、出資者は損益通算ができます。
    株式会社では、赤字を出資者の所得と通算することはできませんし、黒字は、法人税等が課税された上に、配当に対しても課税される二重課税になりますが、LLpは、配当課税だけで済むため、投資効率が高くなります。

5. 投資損失が生じた場合

  1. 当期の損失
    各出資者の出資額を上限として、個人は必要経費、法人は損金の額に算入します。出資者はLLpから分配された損益を他の所得と合算して申告及び納税を行います。
    なお、LLpの出資金が欠損により減少した場合、損金算入限度額も連動して下がります。出資者がLLpの持分を担保に借入れを行い、出資金を増額した場合も、損金算入限度額は同額下がります。
  2. 前期の損失超過額
    個人:翌年に繰り越すことはできません。
    法人:超過額のうち、その組合事業の利益を限度として損金の額に算入できます。

6. 消費税の課税

  • LLpの消費税の納税義務者は、各出資者であるため、LLpが作成する出資者ごとの計算書に基づき納税義務の判定をします。